「また値上がりの通知が来た」
マンションオーナーなら、一度は経験があるのではないでしょうか。
管理費や修繕積立金の値上げ通知が届いて、「またか…」とため息をつく。
実はこの値上げ、ここ数年で加速しています。
国土交通省の調査によると、修繕積立金が計画に対して不足しているマンションは全体の約4割。
なぜこうなっているのか、そして投資家としてどう対応すべきか、整理してみます。
管理費が上がる理由:人件費の高騰
管理費の大部分を占めるのは、管理員・清掃員の人件費と、エレベーター等の保守費用です。
最低賃金は毎年上がっていて、東京都は時給1,163円(2025年10月時点)。
10年前と比べて約200円上がっています。
管理会社も人手不足に悩んでいて、待遇を良くしないと管理員を確保できない。
その結果、管理委託費が上がり、管理費に転嫁されるという構図です。
エレベーターの保守費用も、部品代の値上がりで年5〜10%ずつ上昇している管理組合が多いです。
修繕積立金が上がる理由:建築コストの高騰
修繕積立金の値上げは、もっと深刻です。
大規模修繕工事に使う足場代・塗料代・防水材などの資材価格が、ここ数年で2〜3割上がりました。
職人の人件費も同様に上昇しています。
10年前に5,000万円で見積もっていた大規模修繕が、今やると7,000万円かかる。
当然、積立金は足りなくなります。
さらに問題なのは、新築時の修繕積立金が意図的に安く設定されていること。
分譲会社は「月々の負担が少ない」ことを売りにしたいので、最初は安くして、後から段階的に上げる段階増額方式を採用することが多い。
購入者はその仕組みを知らないまま買って、数年後に「こんなに上がるとは」となるわけです。
放置するとどうなるか
修繕積立金が不足していると、大規模修繕のときに一時金が徴収されます。
一戸あたり50〜100万円の一時金請求は、珍しい話ではありません。
それすら集まらない場合は、工事自体が延期されます。
工事が延期されると建物の劣化が進み、資産価値がどんどん下がっていく。
入居者の満足度も下がり、退去が増え、空室率が上がる。
負のスパイラルに入ると、抜け出すのは本当に難しくなります。
投資家が購入前にチェックすべき3つのこと
マンション投資をするなら、管理費・修繕積立金の問題は避けて通れません。
購入前に必ず確認してほしいのは以下の3点です。
- 長期修繕計画書 … 今後の修繕予定と費用見込みが書かれている。計画書自体が古い(更新されていない)マンションは要注意
- 修繕積立金の残高 … 次の大規模修繕に対して十分な金額が貯まっているか。目安は一戸あたり100万円以上
- 管理費・積立金の改定履歴 … 過去にどのペースで値上げされてきたか。今後も上がる可能性を想定して収支を組む
管理費の上昇は「経費増」として収支に組み込む
管理費と修繕積立金の値上がりは、今後も続くと見ておいたほうがいいです。
投資判断をするときは、現在の金額ではなく、5年後・10年後に上がることを前提にした収支計算をしてください。
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