利回り8%のはずが実質2%だった|不動産投資の利回り計算、5つの落とし穴

利回りの数字、ちゃんと理解していますか?

物件情報サイトを眺めていると、「利回り8%」「利回り10%超」といった数字が目に飛び込んできます。

銀行預金の金利と比べれば夢のような数字ですが、この「利回り」の中身を正しく理解しないまま投資して、後から「思ったほど手残りがない…」となるケースは実は少なくありません。

表面利回りと実質利回り

表面利回り(グロス)

一番シンプルな計算です。

物件サイトに載っている「利回り」は、ほぼこれです。

年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

2,000万円の物件、年間家賃120万円なら、表面利回りは6.0%。ここまでは簡単です。

実質利回り(ネット)

問題はここから。

実際には管理費、修繕積立金、固定資産税、保険料などが毎年かかります。さらに購入時の諸費用(仲介手数料、登記費用など)もあります。

(年間家賃 − 年間経費) ÷ (物件価格 + 購入諸費用) × 100

さっきの例で経費年30万、諸費用140万とすると、実質利回りは約4.2%

表面利回りとの差が1.8%もあります。この差を知らずに買うと、資金計画が狂います。

地域で全然違う「普通の利回り」

よく「利回り何%なら合格ですか?」と聞かれますが、これはエリアによって全く違います。

  • 東京23区 … 表面3.5〜5.0%が相場。都心は3%台でも売れる世界
  • 首都圏郊外 … 表面5〜7%。通勤圏内なら需要は安定
  • 地方主要都市 … 表面6〜9%。札幌・福岡あたりは狙い目といわれることも
  • 地方の郊外 … 表面10%超もあるが、入居者が見つからないリスクと表裏一体

つまり「利回り8%」が高いのか普通なのかは、どこの物件かによって全然意味が変わります

利回りの数字が隠していること

もう一つ気をつけたいのは、利回り計算の前提が「満室」であることです。

空室が出れば家賃は入ってこないし、退去のたびにクリーニング代や募集費用がかかる。築古の高利回り物件は設備の故障も多い。

こういった「見えないコスト」は利回りの数字には入っていません。

それから、物件価格そのものが将来どうなるか。利回りが高くても、売るときに買値より大きく下がっていたら、トータルでは損になりかねません。

実際のシミュレーション結果を見てみよう

当サイトのダッシュボードで、札幌市の中古マンションデータを使ってシミュレーションした結果がこちらです。

札幌市 利回りシミュレーション結果
札幌市の中古マンションで利回りシミュレーションを実行した結果

表面利回りと実質利回りの差がはっきりわかります。管理費・空室率・固定資産税を考慮すると、見た目の数字とはかなり異なることがわかります。

札幌市 長期キャッシュフローシミュレーション
30年間のキャッシュフロー予測。家賃下落・修繕費増加を加味したリアルな収支

長期で見ると、修繕費の増加と家賃の下落が収支に大きく影響することがわかります。

まずは「相場感」を持つことから

利回りは大事な指標ですが、それだけ見ていると判断を誤ります。

まずは気になるエリアの取引価格がどう動いているか、「相場感」を持つことが第一歩です。

当サイトでは、国土交通省120万件超の取引データから、エリアごとの利回り水準・価格推移をAIが分析しています。

月5回まで無料で使えるので、検討中のエリアがあれば試してみてください。

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