空室が続くのは物件のせいとは限らない
「もう3ヶ月も空室が続いている」「家賃を下げるしかないのだろうか」——不動産投資をしていると、空室問題は最も頭を悩ませるテーマのひとつだ。多くのオーナーは空室の原因を物件の立地や築年数、家賃設定に求めがちだが、実は管理会社の対応力が空室の最大の原因であるケースは驚くほど多い。
この記事では、管理会社を変更しただけで長期空室がわずか1週間で解消した実例を紹介しながら、管理会社選びのポイントと、変更を検討すべきサインについて詳しく解説する。
レインズに未登録——管理会社が空室を放置していた衝撃の事実
千葉県在住・年収750万円の会社員投資家は、大阪と富山に複数の賃貸物件を所有していた。しかし、一部の物件で数ヶ月にわたる長期空室が続き、毎月の持ち出しが増えていた。
家賃を下げるべきか、リフォームをすべきか悩んでいた時、知人の紹介で別の管理会社に相談することにした。その管理会社が調査した結果、驚くべき事実が判明した。
前の管理会社は、空室物件をレインズ(不動産流通標準情報システム)に登録すらしていなかったのだ。
レインズとは、不動産業者間で物件情報を共有するためのシステムで、全国の不動産会社がこのシステムを通じて入居者を探す。レインズに登録されていないということは、他の不動産会社からの紹介が一切ない状態と同じだ。自社の店舗に来た客だけに物件を紹介するという、極めて限定的な募集活動しか行われていなかったことになる。
つまり、この投資家の空室は物件に問題があったのではなく、管理会社がまともに募集活動をしていなかったことが原因だったのだ。
管理会社変更後わずか1週間でほぼ全室が埋まった
管理会社を変更した結果、新しい管理会社はすぐにレインズへの登録を行い、複数の不動産ポータルサイトにも物件情報を掲載した。さらに、物件写真の撮り直しや、間取り図の整備、周辺環境のアピールポイントの整理など、募集資料の質を大幅に向上させた。
その結果、管理会社変更からわずか1週間で、ほぼ全室の入居が決まった。家賃は下げていない。リフォームもしていない。変えたのは管理会社だけだ。
この事例は、管理会社の募集力がいかに入居率を左右するかを如実に示している。不動産投資において、物件選びと同じくらい——いや、場合によってはそれ以上に——管理会社選びが重要であることがわかる。
管理会社の変更を検討すべき5つのサイン
現在の管理会社に以下のような兆候があれば、変更を真剣に検討すべきだ。
サイン1:空室が3ヶ月以上続いている
賃貸需要があるエリアにもかかわらず空室が3ヶ月以上続いている場合、管理会社の募集力に問題がある可能性が高い。全国平均の空室期間は約2〜3ヶ月とされているため、これを大幅に超えるようであれば要注意だ。
サイン2:募集状況の報告が少ない・曖昧
優れた管理会社は、空室期間中に「今月の問い合わせ件数は○件」「内見は○件ありました」「反応が薄いので写真を変更しましょう」といった具体的な報告をしてくれる。「まだ決まりません」としか言わない管理会社は、積極的な募集活動を行っていない可能性がある。
サイン3:ポータルサイトの掲載内容が貧弱
SUUMO、HOME'S、at homeなどの主要ポータルサイトで自分の物件を検索してみよう。写真が暗い・少ない、物件の魅力が伝わらない文面、間取り図がない——こうした状態であれば、管理会社の募集姿勢に問題がある。優秀な管理会社は、物件写真を明るく撮影し、周辺環境の情報も充実させる。
サイン4:家賃の値下げばかり提案してくる
空室が続くと「家賃を下げましょう」と提案してくる管理会社は多い。しかし、家賃の値下げは最後の手段であるべきだ。募集方法の改善、写真の撮り直し、初期費用の見直し、設備の小規模改善など、家賃を下げずに入居率を上げる方法はいくつもある。
サイン5:入居者からのクレーム対応が遅い
入居者からの修繕依頼やクレームへの対応が遅い管理会社は、入居者の満足度を下げ、早期退去の原因となる。退去が増えれば空室率が上がり、オーナーの収益を直接的に圧迫する。入居者対応のスピードと丁寧さは、長期入居率に直結する重要な要素だ。
良い管理会社を見極める3つのポイント
管理会社を選ぶ際、あるいは変更先を探す際に重視すべきポイントを整理する。
- 管理戸数と入居率の実績:管理戸数が多いだけでなく、入居率95%以上を維持しているかを確認する。数字を開示しない会社は避けるべきだ
- 募集チャネルの幅:レインズへの登録はもちろん、主要ポータルサイトへの掲載、SNSの活用、法人契約の開拓など、複数の募集チャネルを持っているか確認する
- レスポンスの速さ:問い合わせへの返答速度は、その会社の仕事の質を反映する。初回の問い合わせに対して24時間以内に具体的な返答がない会社は、日常業務でも同様の対応をしている可能性が高い
管理会社の変更は面倒に感じるかもしれないが、手続き自体は2〜4週間程度で完了する。現在の管理委託契約の解約条件(通常1〜3ヶ月前の通知が必要)を確認した上で、新しい管理会社との契約を進めればよい。
空室対策はデータに基づく判断が鍵
管理会社の良し悪しを判断するためには、そもそも自分の物件があるエリアの賃貸市場の状況を正しく把握しておく必要がある。周辺の競合物件の家賃相場、空室率のトレンド、人口の増減——こうしたデータを知っていれば、管理会社の提案が妥当かどうかを自分で判断できる。
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